更新日 2011-10-02 | 作成日 2007-11-01
どこか一点を注視していると、そこは焦点が合ってクリアーに見えるのですが、その脇がぼやけている様に感じます。おや?と思ってそのぼやけているところに視点を移すと、ちゃんと焦点が合って見えます。そんな風に見えませんか?
これを見て、「見る脳・描く脳」という本で読んだ事を思い出しました。
この本によると、ヒトの網膜には光刺激を受容するための二種類の視細胞、桿体と錐体があるのだそうです。桿体は暗いところで活動し、錐体は明るいところで活動します。また、桿体は光の波長に対して感度が全て同じであるため色を識別できないのですが、錐体は赤・緑・青の光に対して感度の高い三種類が存在するため、色覚を生じる事ができるのだそうです。
ヒトの網膜における視細胞の数は、桿体が一億二千万個あるのに対して錐体は六百万個ですので、圧倒的に桿体の数が多く、錐体はごくわずかしかありません。
この錐体は網膜の中心部のごく狭い場所、視野にして四度までのところに密集しており、その周りを桿体が取り囲んでいます。したがってヒトの網膜の特性は、中心から視野にして約四度までの範囲では色覚を生じるのですが、それより周辺部の視野では色覚を生じず、明暗を識別するのみであるという事になります。
でも私たちはそんな風に、注目しているところだけがカラーで周辺はモノクロなんていう風には見えていないですよね?これは目というセンサーから入ってきた信号をダイレクトに感じている訳ではないからです。この信号を脳が受け取って加工した結果を感じているからなのです。
この繰返し紋様は注目しているところの周辺でぼやけて見える様に私は感じるのですが、ひょっとしてそれは上記の情報処理を混乱させる要素がこの紋様には含まれていて、網膜からきた生データの特性が一部残ってしまうのが原因なのかもしれません。この混乱させる要素がわかれば、ぼやける紋様の色々なバリエーションが作れて面白そうなのですが。
この本の中に「見る脳・描く脳」の簡単な内容紹介があります。50ページの「視覚美術館へようこそ」です。お手頃な値段なので、興味を持った方はまずこちらから入るのはいかがでしょうか。
ちなみに著者は「コマネチ大学数学科」の竹内先生です。